ゴッド・ファーザー partⅡ

イタリア映画のみならず、アメリカ映画でイタリア移民の事々をテーマにしたもの等を見ていると、時々思いもかけないナポレターナを耳にすることがある。イタリアやナポリの旧い映画に当時のナポリのヒット曲を抱き合わせることは商業的に当然のなのですが、ちょっとした場面のバックに流れてくるほんの1フレーズで、その映画がぐっと身近に感じることがあるんですよね。
2008年暮れだったかにテレビで放送されていた「ニュー・シネマ・パラダイス」でも、ナポレターナの”Ciento Catena”のイントロが聴こえたし、”Lacrime Napuletana”が使われていたな・・・と、再認識。もちろん、それを主題曲とした懐かしの名画の一場面が映し出されていた、そこで聴こえたわけですが。ナポレターナを知っていると、こんなお得な気分が味わえるのですぞ!?
ここしばらく、そんなナポレターナをご紹介していこうかと思っておりますです。。。

さて第一回目は「ゴッド・ファーザー partⅡ」。私のお気に入り「ゴッド・ファーザー」シリーズは、シチリアとアメリカを舞台にしてどれも傑作。特にpartⅡは「ナポレターナの黄金期(1860年頃~1938年頃)」時代ともダブるので興味深い!私の「知っている」ナポレターナが聴こえてやしないかと、再確認の為に見入っておりました。 所はニューヨークのリトル・イタリー、マルベリー街のとある小劇場。演目のナポリ音楽劇で歌われている”Senza Mama”と”Napoli ve salute”のナポレターナ。もう一つ演奏されている曲は”Sciuri sciuri”という「花々」と題された有名なシチリア民謡ですが、前記の2曲のナポレターナ、不覚にも私は知りませんでした(泣)とほほ。 作曲家はFrancesco Penninoとおっしゃられ、この映画の監督、フランシス・フォード・コッポラ氏のおじい様なのだそうです。コッポラ監督がおじい様の既存の作品を映画の為に使ったのか、或いは新たに作って頂いたのかわかりませんが・・・。映画ファンの方々には「何を今更?!」としかられそうですね。 当時、移民者としてアメリカへ渡り、たとえば、「つれない心」の作詞・作曲家、リッカルド・コルディフェルロ、サルヴァトーレ・カルディルロ(またそれを歌った世紀のテノール、エンリコ・カルーソも)のように、ニューヨークで活躍したナポレターナの作家は数々います。 この映画のこの時代のこんな場面を見ていると、「ナポリの絵葉書」を歌った女性歌手、ジルダ・ミニョネッテもこれと同じような舞台でイタリア移民者の心を癒してきたのだろうなと想像してしまいますね。

という感じで、たくさんの皆さんがもしかしたら映画の中でたくさんのナポレターナと出会い、耳にしているのかもしれませんよ!
映画の中のナポレターナ、まだ続きます!