Hotel Ferraraの部屋からEste城を

アルバム「あなたに2」製作外伝(3)

11月26日夜10:00イタリア、ボローニャ空港到着。プロデューサーのトニーが空港まで迎えに来てくれてましたので、ほっとしました。翌27日は完全にオフ。初めてのフェッラーラを楽しむことが出来ました。と言いたいところだけれど、直前のバテバテが響いて、殆ど遠くには行かず。しかしながら、フェッラーラの中心部にあるエステ城を目の前にしたホテル フェッラーラが快適だったので、久しぶりにゆったりいたしました。海外録音のメリットは日本での日常から一切遮断されるので、自分の歌にいやでも集中することですね。今ではインターネットがあるのでメールとか出来るわけですが、昔だったら、普通のホテルの電話しか通信手段がありませんから、録音以外に考えない環境が出来たでしょうね。私はいたってアナログ人間なので、ここは録音に集中するしかなかったですね。

Hotel Ferraraの部屋からEste城を
Hotel Ferraraの部屋からEste城を

しかし、ホテルの窓からエステ城を見ると、ただただ自然に、ルネッサンスの時代に栄えた古都にいることに感動してしまいます。芸術、教育の偉大な後援者であり、推進者として、かの偉大なレオナルド・ダヴィンチのパトロンとしても知られる、マントヴァ公に嫁いだイザベラ・デステはここに生まれて育ったんだな!とか、チェーザレ・ボルジアの妹で、とみに有名な歴史的悪女と言われるルクレチア・ボルジアが嫁いできたのがここか!、などと思い巡らせると東京にいたのが嘘のようにゆったりとした時に身をゆだねることが出来ました。

Hotelが本当に城の前
Hotelが本当に城の前

録音1日目は28日。スタジオはフェッラーラの北を流れるイタリア最大の河川、ポー側にかかった橋を渡った隣町オッタヴィアーノにあります。大規模な倉庫などがたくさんあり、随所に大規模なショッピングセンターがある町で、高速道路のインターチェンジがあって、ボローニャ、ミラノ方面へ、ヴェネツィア方面へはここが便利です。さながらフェッラーラの産業団地と言った風情の場所です。まずはSDTスタジオに行って、既に出来上がっているバッキングトラックをチェック。全曲を聴き合わせ。録音スケジュールをチェック。ヴォーカル録りは5日ないし6日間、一日3曲ペースで進めることにした。夜はトニーが時々行くと言う日本食レストランに連れて行ってくれた。トニーは食事制限をしていて、白飯とサーモン・グリルが定番だという。まあ、なんちゃって日本食なのだが、「ねえ、誰か日本人スタッフ居るよね!」トニーが声をかけると「居ないよ!」と返ってくる。後で考えると、ここはそれでもましだったので、とりあえず容認。
多分、中国、東南アジア系の人たちでした。明るくていい人たちだったけれど。カラオケのデータをもらってホテルに戻ります。明日に備えてコンピュータにCD-R入れて聞いてみる。
ホテル フェッラーラの部屋にはイタリアには珍しくジャグジーがあって、滞在中、これには大いに助けられました。 ウワー!癒される!
(続く)